Learning from the classics, expressing the contemporaries, and deepening the plastic thinking in the process of drawing. Toshiaki Shibata is the sharp-eyed artist who pursues sophisticated figurative expression through capturing the essence of the figure.

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デッサンに対して否定的な考えを持つ人の多くは、デッサンを単に技巧だと勘違いしていることが原因であることが多いと思われます。

勿論、デッサンには技巧も含まれますが、デッサンを行う目的は、技巧を磨くことが第一目標ではありません。美術が形や色を用いて表現する視覚芸術である以上、その内容を観賞者に伝える為には、「どのように作ったら、どのようにみえるのか」を作り手は理解していなければなりません。その為には、目の前にあるものの本質を見抜く観察力が必要になります。重要な情報を選別し優先順位を把握する分析力も必要です。

作品に描く事物がその内容を示す為に、必要になる最低限の情報を見抜き、それらを整理して再構築し、視覚的に表現することにより造形作品は成立します。それに必要な能力を養うには、デッサンが有効なのです。もしデッサンが見えた通りに描き写す作業だとしたら、そのような能力を鍛えることは出来ないでしょう。必要な情報と不必要な情報を均質に拾ってしまったり、あるいは必要な情報であっても見落としてしまったり、見誤ってしまう可能性もあります。たとえ実際の見かけは些細な変化であっても、造形的に重要な情報であるなら、強調してでも描かなくては伝わらないのです。

デッサンは、視覚から得た情報を基に、表現するまでの間にやらなくてはならないことを出来るようにする為に必要な勉強として最も有効な手段だと言えるでしょう。

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