2001.01.17re-evolutional experiments
コツコツとした地味な積み重ねの中で、飛躍的な発展を引き起こす諸条件が蓄積されてゆきます。作品は、時と共に発展し、向上し、より高度な質へと変化してゆかなくてはならないのです。展覧会のサブタイトル、“ re-evolutional experiments ”は、自分のための警鐘としての意味を込めた目標を掲げてみました。
ここ数年、ひとつの形態の位相、そして複数の形態の転位をキーワードに制作活動を展開した結果、造形性の追究にウエイトを置いたスタンスになってきました。即ち、色彩や形態のコンストラクションや、より緊張感のあるコンポジション、等を求めるようになったのです。
私は社会や大衆に特定のメッセージを与えうるものこそが芸術だとは思っていません。私にとって、絵画とは、造形とは、デッサンであり、構図であり、構成であり、色彩であり、形態であり、素材であり、技法であります。あらゆる意味で、造形性の追究こそが美術本来の芸術性を真の意味で高めるものであると信じています。
いつの日か、モチーフやモデルが私の絵を真似ているのではないかと思えるほど、対象が色あせてみえるくらい美しい絵を描きたいと思っています。
2001年1月