2021.05.28二つの自画像と都市   double self-portrait and metropolis

1991./ acrylic on canvas,910x725mm
The Museum of Tokyo National University of Fine Arts and Mudic, Japan.

Exh. 1992.   Gallery “Boku-no kusou Bijutukan”, Tokyo.

1997.   The Museum of Tokyo National University of Fine Arts and Music.

色彩と形態のコンフリクトから生み出される新たなイメージ,それがこれまでの「色面分解・統合」の最も優れた点であると考える.しかし,新たな問題点として,二次元的イメージが強くなり,空間性が単調にみえるという欠点があらわれた.また,分解によって密度性は増すが,いわゆるデジタルイメージが強調され,「有機的」な,生き生きとしたイメージ,生命感が損なわれてしまうのである.空間性の克服のために用いた手段として,いわゆる線遠近法的空間表現を用いず,色面性を生かす意味で,大和絵的な空間表現を研究した.「ふたつの自画像と都市」のような,異なる要素の結合,例えば自画像ふたつと俯瞰した都市風景,が生み出す「超」空間性は,作品のコンセプト,内容に対して決定的イメージを与えてしまうため,今後,より入念なエスキース作りが必要となってくる.色彩や形態の工夫といった,描画の段階以前の時間を長くとるようになってゆく.(制作ノートより)